市田柿とお正月※以前の記事より抜粋

高森町は市田柿発祥の里

僕たちが住む南信州の特産品の市田柿は実は高森町が発祥の里。旧村の名称「市田村」が、その起源となる。



「まめでくりくり、かきとる」

仕事の関係で南信州に古くから伝わる「元旦の朝に市田柿を食べる風習について」調べてみた。
調べてみると、僕の両親が子どもの時代から
1)市田柿、2)落花生(豆)、3)栗の3点セットを、元旦の朝一番に朝茶と一緒に食べる。

いわゆる「歯固め」の儀式として行われる。それぞれの意味は以下のとおり。

1)市田柿・・・「かき」。「嘉来(かき)」。福を「かき」集める、「かき」取るという意味で縁起のよいもの。
2)落花生(豆)・・・「まめ」。信州の方言で「元気」という意味。
3)栗・・・「くり」。「くりくり」も元気という意味、また「かち栗」(※「かち栗」とは臼等で皮をむいた栗のこと)から転じて「勝ち」栗。

このように元旦にこの3点セットを食べることが、みんな縁起物で意味があり、「歯がため」の行事。「まめでくりくり、かきとる」という言葉があるくらい。


歯固め

なお、「歯固め」とは「昔、長寿を願って、正月三が日に餅鏡(かがみもち)・大根・瓜・押し鮎・猪肉などを食べた行事。」とのこと(三省堂大辞林より)。
歯とは「齢(よわい)※年齢)」を表し、上記のような硬い食べ物を食べることで、齢を固め、長寿を願うという年中行事のことらしい。

同じ長野県でも、北信や東信ではこのような風習がないとのこと。このように調べていくと、後世に残していかなくてはならない風習というものは、まだまだ沢山あるなあ、と思う。

ちなみに、「市田柿」は種が無いと言われているが、時々、種が入っているものがある。聞いた話だが、ある市田柿を扱う企業が「種が入っているじゃないか!」というクレームをお客様から受け、担当者が「お客様、それは『当たり』なんですよ!種を3つ集めて弊社へ送って頂ければ、さらに1パック送りますよ!」と対応したとのこと。本当にそうしたかどうかは不明ですが。

実際、種が入っているとその数だけ福がアップすると、僕の両親は祖父母から教わってきたとの事。母親の友人は、子どもたちが市田柿を食べた時に種が入っていると、お年玉を+1,000円して渡すそうです・・・うらやましい。 

※この記事は以前の記事より抜粋しています。

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