20140204 口頭試問

松本は雪がまっていました。

 4日は、口頭試問。今日の結果で、2年間の結果が出ます。

World Cafe: 論文提出









はっきり言ってここに書くことも躊躇してしまったほど、出来は悪いです。なぜって、書いておいて落第したらシャレにならんから。でも、これも全て自分の責任です。

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 今回の自分の修士論文の研究テーマは「住民参加の手法は自治組織の主体的な活動にどのように作用するのか?」です。
 行政が行う計画策定や企画、実施や運営、そして検証などに住民が参加する、いわゆる「住民参加」の仕組みが、町内会や自治会と呼ばれる自治組織の主体的な活動にどのように作用するのかを明らかにしようとしてみました。
 この点について、長野県内はもちろんのこと、全国の多くの自治体では、悩み知恵を出しながらこの住民参加方策の拡充を進めていますが、「住民参加」とは、主権者である住民の主体性が最も重要な点であるはずなのに、その制度内容によっては、行政による自治組織の下請け化、または自治組織の行政依存など、逆にその主体性を削いでいるのではないか、と思われる事例が存在しています。
 このような問題意識から、今回の研究では先行研究の調査により、飯田下伊那地方にて「地区別計画」「地域担当職員制度」「住民懇談会」という3つの住民参加方策が共通して実施されている、阿智村、喬木村、高森町を選択しました。
 この3つの制度を比較したのは、3町村で共通している方策であることに加え、行政の経営をPLAN-DO-CHECK-ACTIONのサイクルでとらえたときに、「地区別計画」「地域担当職員制度」はPLANやDOへの住民参加やその支援、さらに「地域担当職員制度」はDOやACTIONへの住民参加やその支援、そして「住民懇談会」はPLANやCHECKなどの住民参加と捉え、この3つの制度を同時に実施していることは、住民参加方策として行政運営のPDCAサイクルに総合的に参加する機能を備えていると考えたからです。
 今回の研究では、従属変数を「自治組織の主体的な活動」とし、独立変数をそれぞれ「地区別計画」「地域担当職員制度」「住民懇談会」の各種住民参加方策とし、この3町村の実態を比較し、その差異を明らかにすることで、自治組織の主体的な活動に対しどのように作用しているのかを明らかにしようと試みました。
 調査方法には、量的調査及び質的調査を行い、量的調査においては3町村の自治組織役員へのアンケート及びクロス集計等による分析、質的調査においては半構造化インタビューを行い、その内容のテキスト化し一部はSCAT分析を行いました。
 これらの分析結果から、阿智村における各種住民参加方策が最も自治組織の主体的な活動を促進していることが明らかになり、その要因として「地区別計画が総合計画との同等性を保持していること」「地域担当職員制度が行政支援型住民参加を促進していること」「住民懇談会が政策意志形成過程の透明化の機能を有していること」を明らかにしています。
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 今回の調査で、一番勉強になったのは、やはり「まちづくりの知恵」は現場にある、ということです。今回インタビューさせて頂いた阿智村や喬木村の元自治会役員の方々とのお話しは大変面白く、確かにテープ起こしは大変でしたが、その内容は本当に面白いものでした。その内容は、机上では決して手に入れることができなかったと思います。やはり現場に出て、一次情報をきちんと得るということが本当に重要だと改めて感じました。
 最近は、ビジネスの現場でもエスノグラフィという文化人類学的なアプローチがありますが、まさにこの点については、公務員の仕事はまさにエスノグラフィのアプローチで情報を収集し政策立案する必要があると再確認。

World Cafe: 20131010ソーシャルデザイン実践セミナーに参加








これからの公務員の職能として、このような各種事例を分析し、一般化することが必要ではないかと思います。

 また今回の研究を通じて、先行研究の論文を読み、それらを根拠としながら自分の理論を組み立てていくという手法を知ることができ、またこれが本当に難しいと感じたのも大きな収穫でした。いかに、「自分の思い込み」で物事を見ているか、これを痛切に感じた2年間でした。
 かと言って、理論・理論では物事は進みません。「思い込み」で動いてみることが重要だったりします。だからこそ、この対極的な思考や手法を知ったということが、大きな点だったと振り返っています。

さてさて、結果は12日です。どうなることやら…


今日のWEB

この三種の神器は本当に助かりました!
World Cafe: 論文を書かなきゃいけない学生の三種の神器!「論文検索PRO」「i文庫HD(+Evernote連携)」「Mendeley」





今日のBOOK

人の言葉を分析し光を当てる。こういうアプローチに興味を持つようになりました。

まさに、本棚はその人の知の集積の様子を表していることがわかります。本を書く、ということがいかに大変か、そのためにどれだけの本を読まなくてはいけないのか、ということがわかります…

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